【一般質問】市長選挙で示された民意と今後の市政運営について(令和8年9月議会/高山市議会)

令和8年9月の高山市議会定例会において、市長選挙で示された民意と今後の市政運営について一般質問を行いました。

1.質問の背景

令和8年8月30日に行われた高山市長選挙では、田中明市長が23,155票を獲得し、2期目の当選を果たしました。一方、益田大輔候補にも21,216票が投じられ、その差は1,939票となりました。投票率は66.16%で、前回の市長選挙を上回りました。

僕は今回の市長選挙において、益田大輔候補の選挙対策本部長を務めました。

選挙結果については、敗れた側の一人として真摯に受け止めています。一方で、市長選挙は単に勝者を決めるだけではなく、市民がこれまでの市政をどのように評価し、これからの高山市に何を求めているのかを示す重要な機会でもあります。

田中市長に投じられた23,155票も、益田候補に投じられた21,216票も、それぞれ市民の思いが込められた一票です。

また、選挙戦では双方の候補者から、地域医療、公共交通、子育て、若者のまちづくりへの参画、観光と市民生活の両立など、高山市が今後向き合うべき様々な政策や課題が示されました。

選挙の勝敗を蒸し返すのではなく、今回の選挙で示された市民の声や政策課題を、今後4年間の市政運営にどうつなげていくのかという視点から、市長の考えを伺いました。

2.質問と市の答弁(Q&A)

Q1:今回の市長選挙では、田中市長が23,155票を獲得して再選された一方、相手候補にも21,216票が投じられた。市長は、自身に投じられた票だけではなく、相手候補に投じられた21,216票も含め、今回の選挙結果をどのように受け止めているのか。

A1:今回の選挙では、多くの市民の皆様からご支持をいただき、改めて市政を託していただいたことに重責を感じております。票の中身の分析については、私の仕事ではございませんので、それぞれの方がやっていただくことなのかなと思います。ただ、投票率が66.16%と前回を上回ったということは、これからの高山をどうしていくのか、市民の皆様が関心を持ち、それぞれの思いを投票という形で示されたものだと受け止めております。今回、投票所に足を運んで投票された全ての市民の皆様の、生活や営み、まちをより良くしたいという思いは、どれも大切なものであると私は捉えております。引き続き、市民の皆様の暮らしに軸を置いて、声を聞き、対話をしながら、市民の皆様とともにまちづくりを進めていく。そういう姿勢で市政運営にあたりたいと考えております。(田中市長)

Q2:選挙戦を通じて、相手候補から様々な政策や市政課題が提起された。これらのうち、市長自身が今後の市政運営において検証・検討する必要があると認識している政策や課題は具体的に何か。
(質問では、益田候補が掲げた「100の未来への処方箋」の中から、中核病院の維持と持続可能な地域医療体制の構築、宿泊税を活用した公共交通やインフラへの投資、若者議会の設置、ホテルや民泊の規模・立地の適正化、ジェンダーギャップ対策などを例として挙げました)

A2:今ご指摘いただいたものも含めまして、選挙戦を通じて提起された政策や市政課題については、いずれも市民の皆様の関心や問題意識が表れたものだと受け止めております。益田さんも、高山を良くしたいという思いは私と同じだったと確信しておりますし、方向性は共有できるものと考えております。ただ、手法が異なっていたりということもございまして、それを実現するにはどうするか、ということを議論することもあったかと思っております。ただ、私としては自らの公約もございます。それを実現することで、益田さんが持っておられた思いも、一部、あるいはどのくらいになるかは分かりませんけれども、実現できるのではないかと思っておりますし、別の候補に投票された方々の思いや期待にも応えることになると考えております。今後の市政運営につきましては、政策の表現や手法の違いはございますけれども、そういった思いで対応してまいりますので、よろしくお願いいたします。(田中市長)

Q3:選挙後は、支持した候補にかかわらず、全ての市民の市長として市政運営にあたることが求められる。相手候補に投じた21,216人の市民や、今回投票に至らなかった市民を含め、多様な市民の思いや市政への課題意識を今後どのように把握し、政策形成に反映していくのか。また、そうした市民に対して市長としてどのような思いを伝えたいのか。

A3:最初に申し上げましたとおり、いろいろな票の形として出てきた結果でございます。その内容については様々だと思います。それについて、細かな分析をする必要はあるかもしれませんけれども、結果が全てだと考えておりますので、その結果を重く受け止めさせていただいております。私が選挙戦を通じて訴え続けてきた思いは、「全ては人のために」ということでございます。引き続き市長の職を任された以上は、投票された方、されなかった方、あるいはそれぞれの候補者に投票された方、そういった括りではなく、全ての市民の皆様の幸せのために、市長としての責任を全うしてまいるつもりでおります。これまでも、市民の皆様、あるいは事業者の皆様の声をしっかり聞いて、市政にあたることを信条としてきました。引き続き、皆様のまちへの思いであるとか、暮らしへの思い、これに耳を傾け、その声を形にしていく。そうした取り組みをさらに推進してまいります。(田中市長)

3.今回の質問を終えて

今回の一般質問では、市長選挙の勝敗そのものではなく、選挙で示された市民の声を、今後の市政運営にどうつなげていくのかという点を中心に伺いました。

特に印象に残ったのは、田中市長が、相手候補から提起された政策や市政課題についても「市民の関心や問題意識が表れたもの」と認識し、益田候補とは「高山を良くしたいという方向性は共有できる」と答弁されたことです。

一方で、今回の質問では、相手候補から示された政策のうち、具体的にどの政策を今後検証・検討するのかについては、明確な政策名は示されませんでした。

選挙で示された政策や課題は、選挙が終わったからといって消えるものではありません。

誰が提案した政策なのかではなく、その政策が高山市にとって必要なのか、市民の暮らしをより良くすることにつながるのかという視点から検証していくことが重要だと考えています。

また、市長からは、投票した方、投票しなかった方、どの候補に投票した方という括りではなく、「全ての市民の幸せのために」市長としての責任を果たしていくとの答弁がありました。

質問の最後には、思想家の内田樹氏の、「公人というのは多数派を代表するもののことではありません。反対者を含めて組織の全体を代表するもののことです」という言葉を紹介しました。これは市長だけに求められる姿勢ではなく、市議会議員である私自身にも当てはまるものだと考えています。

今回の選挙で田中市長に投票された方、益田候補に投票された方、そして投票という形では意思を示さなかった、あるいは示すことができなかった方も含め、私たちは全て同じ高山市民です。

僕自身も、今回の選挙で示された様々な声をしっかりと受け止めながら、引き続き議会活動に取り組んでいきます。

より詳細な質問・答弁内容については、高山市議会の議事録もしくは高山市議会YouTubeによる中継をご覧ください。

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