令和5年9月の高山市議会 定例会において、
パートナーシップ宣誓制度について一般質問を行いました。
1.質問の背景
本年9月1日より、岐阜県においてパートナーシップ宣誓制度が開始されました。この制度は、性的マイノリティーのカップルを家族と同等の関係として認め、公営住宅への入居や医療機関での緊急連絡先の指定など、生活に直結する様々な場面での支援につながる重要な制度です。
既に県内では、制度を利用して宣誓を行うカップルも現れており、また関市のように自治体独自で制度を先行導入し、新生活支援など具体的な行政サービスに結びつけている事例も見られます。
このように、制度そのものは整いつつある一方で、実際に市民の生活の中でどのように活用され、どのような支援につながるのかは、各自治体の取組次第で大きく変わってきます。
とりわけ高山市においては、県の制度を受けてどのようなサービスを整備し、どのような優先順位とスピード感で対応していくのか、また単なる制度対応にとどまらず、市としてどのような価値観やメッセージを発信していくのかが重要であると考え、本質問を行いました。
2.質問と市の答弁(Q&A)
Q1:9月から岐阜県でのパートナーシップ宣誓制度が始まったが、市ではどのような取り組みを行うのか。
A1:県が制度を導入したことを歓迎しており、市としても県の制度に基づいて取り組みを進めていく。市の行政サービスについても、対象となるものは積極的に対応していく考えであり、現在その整理を進めている。また、民間事業者によるサービス提供の拡充についても働きかけを行っていく。対応可能なものから順次実施していく。
Q2:具体的にどのような内容を、どのような順番で、どの時期に行うのか。
A2:対象となる制度や手続は300件以上に及び、現在各部署と連携して提供可否の確認を進めている。新たに利用可能となるサービスとして、市営住宅の入居申込みや保育園入園手続などがあり、また受領証の提示により手続が円滑になるものとして、国保診療所での説明や学校手続などが想定される。法令との関係や例規改正の必要性を確認しながら、準備が整ったものから順次提供し、ホームページ等で公表していく。今後の新制度についても、宣誓制度を踏まえた設計としていく。医療機関での面会・説明、金融機関の住宅ローン、生命保険の受取人、賃貸契約など、民間分野での対応が重要であると認識している。こうした分野についても、パートナーシップ関係を前提としたサービス提供が進むよう、民間事業者への働きかけを行っていく。
Q3:各自治体が横並びで制度整備を進める中で、高山市として大事にしたい想いは。
A3:多様性を尊重することが社会や組織の力を高めるという認識のもと、少数の立場にある方々の生き方や選択肢を保障することが重要である。多数の価値観によって少数の選択肢を奪うべきではないという考えを基本に、施策を進めていく。県が制度を導入していなくても市独自で取り組む考えを持っていたものであり、今後もこの理念に基づき対応していく。
3.今回の質問を終えて
今回の答弁では、高山市として県のパートナーシップ宣誓制度に基づき、活用可能な行政サービスの整理を進めており、300件以上の例規を精査しながら、準備が整ったものから順次提供していく方針が示されました。
また、市営住宅の入居申込みや保育園の手続、医療機関での説明、小中学校での手続など、生活に密接に関わる分野での対応が検討されていること、さらには民間事業者への働きかけも進めていく考えが示された点は、前向きな取組として評価できるものと感じています。
一方で、この制度は単なる手続の整備にとどまるものではなく、「どのような社会を目指すのか」という自治体の姿勢そのものが問われる取組であるとも感じています。
その点において、市長から示された「多様性を尊重し、少数の価値観を多数が奪わない社会を目指す」という考え方は非常に重要であり、高山市としての方向性が明確に示されたものと受け止めています。
今後は、制度の整備を着実に進めるとともに、その背景にある理念やメッセージを市民にしっかりと届けていくことが重要です。制度があるだけではなく、「高山市でなら自分らしく生きられる」と感じてもらえるまちづくりにつながっていくことを期待しております。
より詳細な質問・答弁内容については、高山市議会の議事録もしくは高山市議会YouTubeによる中継をご覧ください。
市政に関するご意見やご相談がありましたら、お問い合わせフォームやSNSからお気軽にお寄せください!!