令和7年3月の高山市議会 定例会において、
産業間の賃金格差と人材流動について一般質問を行いました。
1.質問の背景
全国的な賃上げの流れの中で、業種による賃上げ幅の差が生じており、産業間の賃金格差の拡大と人材流出が懸念されています。特に高山市では、観光業の賃上げが進む一方で、福祉・介護分野など公定価格に依存する産業では賃金上昇が追いつきにくい構造があります。
その結果、産業間での人材移動が進み、地域全体の人材バランスが崩れる可能性も指摘されていることから、実態把握や対応の方向性について質問しました。
2.質問と市の答弁(Q&A)
Q1:今年度、賃金の引き上げが行われ、来年度においても賃上げを予定している企業が多数あるが、産業間で賃上げ幅に差異が見られる。市では産業間の賃金格差をどう分析しているのか。
A1:市として詳細な調査は実施しておらず把握は限定的だが、価格転嫁しやすい産業では賃上げが進む一方、介護など公定価格に依存する分野では賃上げが進みにくく、格差が生じていると認識。
Q2:市内の観光業、特にホテルや旅館業の賃金が上昇する中で、福祉・介護業界での人材流出が懸念される。この流出が今後、福祉・介護業界の人手不足にどのような影響を与えると予測しているか。
A2:実際に人材流出の声はあり、もともと人手不足の福祉分野ではさらに深刻化する可能性が高い。構造的に賃金改善が難しく、市単独での解決は困難だが、国の制度や市独自の上乗せ支援で対応している。
Q3:産業間での賃金格差や人材流動が進む中、産業ごとの人材需要や人材流出リスクを正確に把握するためにも、地域内での産業間の人材流動調査が必要ではないか。
A3:人材流動は要因が多岐にわたり、市単独で正確に把握するのは難しいため、現時点で調査実施の予定はない。
Q4:経済産業省では「地域の人事部」の取組を進めており、地域内での産業間の人材移動を調整する役割も期待されているが、取組に向けて市の検討状況は。
A4:国の取組は認識しており研究している。市内では雇用促進協議会やインターンシップ、若手交流など官民連携の取組が既に進んでおり、方向性は同様。まずは既存の取組を充実させる方針。
3.今回の質問を終えて
産業間の賃金格差と人材流動については、市としても課題認識は共有されているものの、データ不足により実態把握が十分とは言えない状況が明らかになりました。
特に、観光と福祉・介護といった産業間での人材の奪い合いは今後さらに進む可能性があり、地域全体としてのバランスをどう保つかが重要な論点です。
今後は、調査手法の工夫も含めて実態把握の精度を高めるとともに、官民連携による「地域の人事部」のような取組を整理・強化し、地域全体で人材確保と最適配置を図っていく必要があると感じました。
より詳細な質問・答弁内容については、高山市議会の議事録もしくは高山市議会YouTubeによる中継をご覧ください。
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