令和5年9月の高山市議会 定例会において、
インバウンドの対応について一般質問を行いました。
1.質問の背景
高山市ではインバウンド需要が回復し、多くの外国人観光客でにぎわっています。今後も大阪・関西万博や広域観光の推進により、さらなる増加が見込まれる中で、交通マナーや飲食、受入体制など様々な課題も顕在化しています。
特に、飲食店の人手不足や対応負担、宿泊施設の泊食分離の進展などにより、夕食場所を確保できない「夕食難民」の問題が顕著になっています。
こうした現状を踏まえ、インバウンド対応の課題認識と具体的な対応策、さらには拠点施設であるEaTown飛騨高山の今後の活用について市の見解を伺いました。
2.質問と市の答弁(Q&A)
Q1:市は現状のインバウンド対応についての課題をどう認識しているのか。
A1:訪日外国人旅行者は回復傾向にあり、高山市でも同様に増加している。一方で、交通ルールを守らない行動などに対し、市民からの意見も寄せられており、対応が必要な課題と認識している。これまで多言語マップやホームページによるマナー啓発を行ってきたが、今後は動画コンテンツを活用し、地域の文化や暮らしへの理解を促す情報発信を進める。また、市民の生活環境の確保を重視しつつ、多文化共生の視点から観光客と地域住民の調和による持続可能な地域づくりに取り組む。
Q2:夕食難民の外国人観光客が多く見られる中で、市はどのような対応策を、どの時期に行うのか。
A2:外国語対応や人手不足の影響により、外国人観光客の受入れに負担を感じる飲食店もあり、コロナ禍によるブランクや泊食分離の進展も相まって、夕食難民が顕在化している。現在は、Googleビジネスプロフィールの活用支援など情報発信力強化の取組を行っているほか、事業者の意見を踏まえながら解決策を検討している。これまで地域通訳案内士の育成や多言語メニュー、おもてなし研修などを進めてきており、今後も関係団体と連携しながら、受入環境の向上に向けた取組を進めていく。
(副市長補足)
人手不足が大きな制約となっており、泊食分離の影響で夕食提供ができず宿泊受入を断るケースもある。郊外飲食店と宿泊施設の連携など、新たな仕組みづくりの可能性についても検討している。
Q3:EaTown飛騨高山の現状を市はどう認識しているのか。
A3:EaTown飛騨高山は平成29年に外国人向けおもてなし拠点として開設されたが、コロナ禍により主力テナントが撤退し、令和5年3月末をもって全テナントが退店。現在は一部貸館利用にとどまっており、運営主体である株式会社まちづくり飛騨高山が、施設全体を活用する事業者の募集を行っている状況である。
Q4:飛騨高山をインバウンド対応の飲食店に改装したり、民間に譲渡することはできないのか。
A4:現在は施設全体を借り上げて活用する事業者を募集している段階であり、現時点で民間への譲渡は行わない方針とされている。市としては、EaTown飛騨高山の活用が周辺エリアのにぎわい創出につながるよう、関係者と連携して取り組んでいく。
3.今回の質問を終えて
インバウンドの回復は高山市にとって大きなチャンスである一方で、受入体制の整備は待ったなしの状況にあります。特に夕食難民の問題は、観光満足度に直結する重要な課題であり、早急な対応が求められます。
また、EaTown飛騨高山については、現状として十分に活用されているとは言えず、市民の間でも期待と課題が入り混じる存在となっています。しかし見方を変えれば、今の状況だからこそ、インバウンド対応に特化した新たな拠点として再生する大きなチャンスでもあります。
観光客の増加を単なる数の問題として捉えるのではなく、地域経済への波及や満足度向上につなげていくためには、飲食・宿泊・情報発信を含めたトータルでの受入環境の整備が不可欠です。高山市が「また来たい」と思われるまちであり続けるためにも、課題を先送りすることなく、スピード感を持った対応と大胆な発想での施策展開を期待しています。
より詳細な質問・答弁内容については、高山市議会の議事録もしくは高山市議会YouTubeによる中継をご覧ください。
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