【高山市議会】物価高騰・資材価格上昇等が地域経済及び公共事業に与える影響について(令和8年6月議会 / 一般質問)

令和8年6月の高山市議会 定例会において、
物価高騰・資材価格上昇等が地域経済及び公共事業に与える影響について一般質問を行いました。

目次

1.質問の背景

近年、原油価格の高騰や円安、国際情勢の不安定化などを背景に、原材料や資材価格の上昇、供給不足が続いています。特に、石油化学製品の基礎原料であるナフサの価格上昇や供給不足によって、プラスチック製品だけでなく、接着剤、塗料、シーリング材、包装資材など、様々な製品に影響が広がっています。

市内事業者からも、資材そのものが確保できない、短期間で何度も値上げが行われている、資材費や燃料費、人件費が上昇する一方で十分な価格転嫁ができないといった声を聞いています。特に建設業や製造業では、主要な資材だけでなく、副資材の不足によって工事や生産そのものが進められないケースも生じています。

また、こうした物価高騰や資材価格の上昇は、民間事業者だけでなく、市が発注する公共事業や公共施設の維持管理にも影響します。今後、人口減少や担い手不足が進む中で、地域経済を支える事業者の事業継続をどのように支えていくのか。また、建設コストや維持管理費が上昇する中で、必要な公共事業や社会インフラをどのように維持していくのかという視点から質問しました。

2.質問と市の答弁(Q&A)

Q1:近年の原油価格高騰や円安、ナフサ価格の上昇等により、樹脂製品や建築資材をはじめ様々な分野で価格上昇が続いています。市として、市内事業者や地域経済にどのような影響が生じていると認識しているのか。

A1:中東情勢などの影響について、庁内各部署で関係事業者へのヒアリングを継続し、状況把握に努めている。市内事業者では、原材料や資材を中心に急激な価格高騰が生じており、潤滑油やシンナー、塗料、接着剤、コーキング材、断熱材、包装資材などのナフサ由来製品について、数か月先の納品を確保できない、一部の商品について当面納品が見込めないといった状況も把握している。事業者では、水性製品への変更やナフサ由来製品の使用割合の見直し、事業者間での資材の融通などによって対応しているが、製造業や建設業の一部からは、状況が長期化すれば事業継続にも影響を及ぼしかねないとの声も聞いている。原油価格やナフサ由来製品の価格高騰、供給不足は、市内経済に影響を及ぼしていると認識している。

Q2:高山市では、市内事業者や関係団体から現在どのような課題や要望を把握しているのか。また、資材価格や人件費の上昇分を十分に価格転嫁できていない事業者や、事業継続に不安を抱える事業者の実態について、市はどのように認識しているのか。

A2:市内事業者や関係団体へのヒアリングから、物価高騰や人件費の上昇による収益の悪化、ナフサ由来製品の入手困難、価格や納入量、納入時期が日々変動することによる事業活動への影響などを把握している。金融機関との意見交換では、近年の物価上昇分を価格転嫁できる事業者と、できない事業者の二極化が生じているとの話も聞いている。一部の事業者では、価格転嫁によって販売量が減少し、結果として利益が減ることへの不安から、価格転嫁できていない状況もある。今後も、市内事業者へのヒアリングを継続するとともに、商工会議所や商工会、金融機関などと連携し、特に中小・小規模事業者の状況を注視していく。

Q3:資材価格上昇や人件費高騰は、市が発注する公共事業や公共施設の維持管理にも大きな影響を与えていると考えます。市発注工事における設計単価や工事費、入札状況、公共施設の維持管理コスト等について、現時点でどのような影響が生じているのか。また、今後の公共事業の実施や施設更新計画にどのような影響を及ぼすと想定しているのか。

A3:国土交通省の資料では、5年前と比較して国内建設工事の全体工事費は22.6%、人件費は26.6%上昇している。市が発注する工事費や公共施設の維持管理費についても増加している。公共工事の入札では、物価高騰を踏まえて予定価格を設定しているものの、予定価格の設定後から入札までの間にさらに物価が上昇し、入札不調となるケースもある。その場合は設計内容を見直し、再入札を行って契約に至っている。今後については、人件費や資材価格の上昇による契約金額の増額や、資材納入の遅れに伴う契約期間の延長などによって、事業費の増加や完成時期の遅れが生じることが想定される。

3.今回の質問を終えて

今回の一般質問を通じて、物価高騰や資材価格の上昇、ナフサ由来製品の供給不足が、市内事業者の経営や公共事業にすでに具体的な影響を与えていることが確認できました。

市内では、必要な資材が確保できないことや、価格や納期が短期間で変動することに加え、人件費の上昇や人材不足、十分な価格転嫁ができないといった複数の課題が重なっています。特に中小・小規模事業者にとっては、単純に「仕入れ価格が上がった」という問題ではありません。必要な資材を前もって確保するための資金や保管場所も必要となり、仕事を受けるために在庫を抱えれば抱えるほど、資金繰りが厳しくなるという状況も生まれています。

市の答弁でも、価格転嫁できる事業者とできない事業者の二極化や、状況が長期化すれば事業継続にも影響を及ぼしかねないとの認識が示されました。今後も事業者へのヒアリングを続けることは重要ですが、状況を把握するだけでなく、そこで把握した課題をどのような具体的な支援につなげていくのかが重要だと考えています。

また、影響は民間事業者だけではありません。市が発注する公共工事でも、5年前と比較して建設工事費や人件費が大きく上昇しており、実際に入札不調や工事費の増額、工期の延長につながる可能性があることも答弁から分かりました。高山市は広大な市域を有し、道路や橋梁、上下水道、公共施設など多くの社会インフラを維持していかなければなりません。人口減少や担い手不足が進む中で建設費や維持管理費も上昇していけば、これまでと同じ考え方で全ての公共施設やインフラを維持、更新していくことは、さらに難しくなっていくと考えます。

物価高騰や資材価格の上昇は、一時的な経済変動としてではなく、地域経済や行政運営の前提そのものが変化しているという視点で捉える必要があります。地域経済を支える事業者が事業を継続できる環境をどのようにつくるのか。そして、限られた財源と人材の中で、市民生活に必要な社会インフラをどのように維持していくのか。今後も、市内事業者の声や現場の状況を把握しながら、具体的な支援策や今後の公共事業のあり方について注視していきたいと思います。

より詳細な質問・答弁内容については、高山市議会の議事録もしくは高山市議会YouTubeによる中継をご覧ください。

市政に関するご意見やご相談がありましたら、お問い合わせフォームやSNSからお気軽にお寄せください!!

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次